MPPT vs PWM ソーラーチャージコントローラー対決

MPPTとPWM - 2種類のソーラーチャージコントローラー

MPPTとPWM - 2種類のソーラーチャージコントローラー

図1:MPPTとPWM - 2種類のソーラーチャージコントローラー

 

ソーラーパネルからソーラーチャージコントローラーに負荷をかける方法には、MPPTとPWMの2つのソーラーコントローラーがあります。この技術は、バッテリーを効果的に充電することに関して、どちらもよい選択肢となります。

PWMとMPPTソーラーチャージコントローラーで迷ったときに決め手となるのは、自分のシステムに最適かどうかです。

この2つのソーラーチャージコントローラーのちがいを理解するために、太陽光発電パネルの典型的なパワーカーブを見てみましょう(図2)。これは、太陽光発電パネルが生み出す電圧と電流のかけ算から予想される発電量を示すもので、重要なグラフです。最大電力を生み出すための理想的な電流と電圧の比率がMPPT(Maximum Power Point Tracking)です。これは、日中の日射条件によって変化します。

太陽光発電パネルのパワーカーブ

図2: 太陽光発電パネルのパワーカーブ

 

MPPT vs PWM

PWMチャージコントローラー

PWMとは、Pulse-Width Modulation(パルス幅変調)の頭文字を取ったものです。充電中、ソーラーチャージコントローラーは、目標電圧に到達するために、太陽光発電パネルが発電しうる最大限の電流を流します。そして、バッテリーが目標電圧に達すると、コントローラーはバッテリーとダッシュボードを切り替えて、バッテリー電圧を調整し一定にします。この高速のスイッチング方式をPWMと呼び、これによって過充電を防ぐことでバッテリー充電を確実なものとします。

PWMチャージコントローラー

図3:PWMチャージコントローラー

PWMコントローラーのパワーカーブ

図4:PWMコントローラーのパワーカーブ

MPPTチャージコントローラー

MPPT(Maximum Power Point Tracking)は、バッテリーと太陽光発電機を間接的に接続します。この間接的な接続には、太陽光発電からの追加電圧を受け取るDC/DC電圧コンバータが含まれ、電力を失うことなく、より低い電圧で追加電流に変換します。

MPPTチャージコントローラー

図5:MPPTチャージコントローラー

MPPTコントローラーの負荷範囲と太陽光発電パネルのパワーカーブ

図6:MPPTコントローラーの負荷範囲と太陽光発電パネルのパワーカーブ

MPPTコントローラーは、適合アルゴリズムによってこれを実現していて、入力電圧を調整して、稼働するシステムにとって最大効率の電力レベルを維持します。

正しいチャージコントローラーのえらび方

 

適切なチャージコントローラーをえらぶ際には、考慮すべきいくつかの要素があります。設置場所の条件、グリッドのサイズと負荷、システムのコンポーネント、太陽光発電システムのコストなどがそれに当たります。

温度

低温条件では、MPPTコントローラーは賢い選択肢になるでしょう。実際、太陽電池モジュールの動作温度が下がれば下がるほど、Vmpは増加します。MPPTコントローラーを使えば、太陽電池モジュールの余分な電圧を取り込んでバッテリーを充電することができます。このため、MPPTコントローラーはPWMコントローラーに比べ、低温条件下で20~25%効率が高くなります。

一方、PWMソーラーチャージコントローラーは、バッテリーがパルス幅変調技術と同じ電圧で充電されるため、電圧変化を感知することができないことがあります。これらのパネルを気温の高い場所に置くと、Vmpが低下し、12Vバッテリーにより近い電圧で最大電力点が動作します。この場合、転送する電圧変化がないかぎり、MPPTの有用性は意味をなさなくなります。高温条件下では、MPPTがPWMより優位に立っているアドバンテージが損なわれてしまいます。

ネットワークと負荷

ネットワークと負荷の比率の関係について、負荷によってバッテリーから引き出されるエネルギーよりも、ソーラーパネルからのエネルギーの方が大きい場合、バッテリーは満充電に近い状態を維持する可能性が高くなります。この場合、PWMコントローラーは、MPPTコントローラーを購入せずとも、システムを効率的に維持することができます。

システムのサイズ

PWMコントローラーは、3つの理由から小規模な発電システムに最適です。まず、PWMコントローラーは、ネットワークのサイズに関係なく、一定のハーベスティング効率で動作します。第2に、MPPTは、低電力のアプリケーションでは効率が低くなります。最後に、PWMはMPPTコントローラーよりも価格が安いため、購入を検討されている方にとって、より経済的な選択肢となります。

太陽電池モジュールの種類

独立型オフグリッド用ソーラーモジュールは、通常、PWMとMPPTの両方の技術に対応した36セルモジュールです。他の現在販売されている系統連系用ソーラーモジュールは36セルモジュールではないため、オフグリッドの電力システムとは互換性がありません。例えば、60セル250Wのパネルがそうです。この値は24Vのバッテリーには低すぎ、12Vのバッテリーには高すぎます。MPPT技術を使えば、バッテリーを充電しながら、これらの安価な系統連系用モジュールのMPPTを追従させることができます。PWMレギュレーターには、この機能はありません。

コスト

MPPTコントローラーは、PWMコントローラーよりも高価です。しかし、MPPTを使用する利点は、特定の条件下でより有効になります。MPPTを購入する場合は、まずMPPTの特別な機能が現場の状況に適用できるかどうかを確認したほうがよいでしょう。もし、MPPTの機能が、使いたい所に適用できないことがわかれば、PWMコントローラーを選択したほうが経済的です。

つまり、コントローラーを選ぶ前に、設置場所とその条件、必要な機能、そしてその技術に対する予算を確認したほうがよいということです。あなたに必要な種類のチャージレギュレーターをえらぶ参考のために、ここではPWMソーラーチャージコントローラーとMPPTソーラーチャージコントローラーの比較についてまとめてきました。チャージコントローラーを購入する前に、これまで紹介してきたポイントをじっくり考えてみてください!


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